「中古マンション売却でかかる諸費用の内訳」には5つある
中古マンションを売ると、どの段階でどのような諸費用がかかるのかという5つの内訳についてお話しします。

契約や決済時に受け取る「手付金」や「売買代金」については、契約の説明の中で行ないます。

ここではそれ以外の、中古マンションを売る上で必要な諸費用の内訳についての説明です。

まず、売主として売却するのに必要な諸費用の内訳は次の4つです。

  1. 印紙
  2. 司法書士費用
  3. 仲介手数料
  4. 讓渡所得税

また、買主から受け取る以下のお金があります。

⑤各種正精算金や公租公課精算金

これら5つの諸費用の内訳について、それぞれ徹底解説しています。

それでは、まいりましょう。

【中古マンション売却にかかる諸費用の内訳】
その1.印紙税

印紙税とは「経済的取引などに関連して作成される文書に課税される税金」のことで、「売買契約」のときに必要となります。

中古マンションを売る場合、必ず売買契約書を作成します。

売買契約書は当然に「経済的取引などに関連して作成される文書」になりますので印紙税がかかります。

そして、この印紙税の税額は、売買契約書に記載された売買価格により異なります。

例えば、売買価格1000万円超5000万円以下であれば、印紙税は1万5000円(平成21年3月31日までの軽減税額)となります。

また、印紙税は契約書ー通につき課税されます。

売主買主ー通ずつ保管する場合は、売買契約書が2通になります。

たいていの場合は、売主買主各々が自らが保管する売買契約書に印紙を貼ります。

そして割印をします。

実際の売買契約のとき、売主さんが自ら印紙を買いに行くことはほとんどありません。

契約当日、仲介をする不動産業者が用意しておき、売主さんは必要な印紙税額相当を現金 で用意して持って行き、印紙と交換するという場合がほとんどです。

ただ、売主自ら用意しなければいけない場合は買いに行く必要があります。

印紙は郵便局で手に入りますが、その際には間違いがないように、窓口で「不動産の売買契約書に貼る印紙○○円分ください」といえばOKです。

【中古マンション売却にかかる諸費用の内訳】
その2.司法書士費用

司法書士費用については、売主の負担額は、地域により若干差があります。

これは、売渡しのための書類作成費用が売主負担の地域と賞主負担となる境域があるからです。

抵当権抹消や住所変更登記等、当然売主が負担すべき費用は、全国的に売主が負担すべき費用となります。

たとえば神戸の場合は、この売渡書類の作成費は売主負担となります。

売主の名義が1人であり、住所変更登記等が必要なければおおよそ5万円前後でしょう。

もちろん、書類作成費用が買主負担の地域であればもっと安くなくなりますし、住所変更登記の必要がある場合や抵当権の数が多い場合は、当然費用が高くなります。

また、たいていの場合は、買主の所有権移転登記をする司法書士に、売主さんもお願いします。

もちろん、友達や親戚に司法書士がいるのであれば「売主側の司法書士」として手続きを手伝ってもらうことも可能です。

司法書士費用については、地域により慣習が違いますのでご注意ください。

【中古マンション売却にかかる諸費用の内訳】
その3.仲介手数料

マンションの売却を不動産業者に依頼し、販売活動を行なってもらい、無事成約して売れた、という仲介業務の報酬として支払われるものが仲介手数料です。

仲介手数料についてはご存知の方も多く、「売買価格の3%でしょ」とよくいわれます。

しかし、これには間違いが2つあります。

まず1つ目の間違いが「売買価格の3%」というところです。

これは厳密にいうと「売買価格の3.15%+6万3000円」です。

確かに以前は「売買価格の3%+6万円(税別)」となっていました。

しかし04年4月に消費税法が改正され、消費税の内税表示(総額表示)が義務づけられました。

よって今まで「(税別)」と表示すればよかったものが「売買価格の3.15% (3%+消費税)+6万3000円 (6万円+消費税)」と表示しなければいけなくなったのです。

また、よくいわれるこの半端な「+6万3000円」について説明します。

仲介手数料は、次のように宅地建物取引業法で細かく決められています。


  • 200万円以下の部分は売買金額の5.25% (5%+消費税)
  • 200万円超400万円以下の部分は売買金額の4.2% (4%+消費税)
  • 400万円を超える部分は売買金額の3.15% (3%+消費税)


例えば2000万円でマンションを売った場合


  • 200万円以下・・・200万円×5.25%=10万5000円
  • 200万円超400万円以下・・・200万円×4.2%=8万4000円
  • 400万円超・・・1600万円×3.15%=50万4000円


この合計69万3000円が、仲介手数料となります。

400万円以下の部分で税率が変わるのです。

しかしこれでは計算が煩雑になります。

このため、400万円を超える不動産売買の仲介手数料は「3.15%+6万3000円」という簡易計算式によるのです。

このため、売買する不動産の価格が400万円以下の場合にはこの簡易計算は利用できません。

そして2つ目の間違い。

この「売買価格の3.15%+6万3000円」というのは仲介手数料の額ではありません。

正しくは「不動産会社が受領できる仲介手数料の上限額」のことです。

よって「仲介手数料2%(税込)」とか「仲介手数料1.5%」のように、手数料を下げることは不動産業者の自由であり、実際、手数料を割引する不動産業者もいます。

ただ私も不動産業者の一員として本音をいわせていただくと、仲介手数料は満額いただき たいものです。

なぜなら、不動産業者が報酬をいただけるのはすべての取引を終えた後、途中で広告費がかかったとしても、売れない限りは1円もいただけないからです。

マンションを売却した場合、諸費用の中で一番大きなものはこの仲介手数料です。

「3.15%って高いよな」と思われるかもしれません。

しかしこの金額は、あなたのマンション10万円分に対し、わずか3150円なのです。

「仲介手数料が上限規定である」ということを知って、割引を要求してくる方もいます。

しかし、2000万円の売買で、3.15%を2.1%にしてもらったところで、仲介手数料の差は21万円です。

それであれば満額支払って、不動産業者に気持ちよく動いてもらい、少しでも高く売ってもらう方がずっと売主さんにとってメリットがあります。

不動産価格の「少し」は、軽く50万円とか100万円の差になるからです。

不動産屋も人間です。

やはりサービスの対価をしっかりといただける仕事に力が入るのは当然です。

仲介手数料の規定は上限規定とはいえ、割引を求めることが結果として売主のメリットになるとはいえないということも知っていただきたいと思います。

【中古マンション売却にかかる諸費用の内訳】
その4.譲渡所得税

「マンションを売るときに必要な税金を教えてください」

これもよくいただく質問です。

厳密に言えば、契約書に貼る印紙も印紙税という税金であり、登記の抹消や変更にかかる費用も登録免許税という税金です。

ただし、譲渡所得税とは比較的聞き慣れた言葉で言うと「所得税」のことを指しています。

なお、この譲渡所得税については08年12月の税法をもとに話を進めていきます。

まず中古マンションを売って、税金がかかる場合ですが、大きなポイントがあります。

それは、中古マンションを売却して「利益が出た場合」ということです。

利益が出たかどうかの見極めは「課税譲渡所得金額」で確認します。

課税譲渡所得金額の算出方法は、以下の数字をもとに算出します。


  • 譲渡額・・・その不動産を売った価格
  • 取得費・・・その不動産を売った価格(建物部分は減価償却する)
  • 譲渡費用・・・マンションを売却するためにかかった費用(仲介手数料等)
  • 特別控除・・・3000万円特別控除、買換え特例等


この4つをもとに「譲渡額-取得費-譲渡費用-特別控除」という計算をします。

そこで算出されるのが「課税譲渡所得金額」です。

これがマイナスになれば税金はかかりません。

プラスになれば税金を支払うことになりますが、ほとんどの方はマイナスになります。

なぜなら「3000万円特別控除」があるからです。

この特別控除の適用は、一定の要件をクリアした中古マンションを売却する場合に限られます。

3000万円の特別控除とは(中古マンションを売却した場合)
マイホーム(居住用財産)を売ったとき、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3000万円まで控除ができる特例
・特例を受けるための適用要件
(1)自分が住んでいる家屋を売るか、家屋と共にその敷地や借地権を売ること。なお以前に住んでいた家屋や敷地などの場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
(2)売った年の前年及び前々年に、この特例またはマイホームの譲渡損失についての損益通算および繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
(3)売り手と買い手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄ではないこと。特別な間柄には、このほか生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人などもふくまれます。
・適用を受けるための手続き
確定申告をすることが必要です。

参考:高税調ホームページ(2009 年1月現在)

この特別控除が利用できる場合は、「譲渡額-取得費-譲渡費用-3000万円」という式で課税譲渡所得金額を計算します。

このため、売却するマンションの成約価格が3000万円以下であれば、まず利益が出ないので、譲渡所得税はかからないと考えられます。

3000万円を超える売却価格の場合、注意するのは「取得費」です。

これは売ったマンションの購入価格から算出します。

購入価格が領収書や契約書で証明できない場合は、取得費として「譲渡額(売却した価格)の5%」しか取得費として認めてくれません。

取得費がわからないために、思わぬ税金がかかったという場合もありますので、購入時の資料等を事前に用意しておくことが必要です。

マンションを売った場合の税金については、さまざまな特例や控除があります。

また買換えの場合は買換えの特例もあります。

ここでは、一般の方が、自身が居住しているマンションを売った場合に最も関係するであろう「3000万円特別控除」についてだけお話しさせていただきました。

税金については非常に複雑ですので、必ず管轄税務署または税理士にご確認ください。

【中古マンション売却にかかる諸費用の内訳】
その5.公租公課・管理費等

ここまで、中古マンションを売却するときに必要になる費用について説明しました。

ここでは、中古マンションを売却するときに受け取るお金が「公租公課・管理費等」について解説します。

「公租公課・管理費等」は先ほどお話しした「各種精算金」と「公租公課精算金」のことです。

受け取るお金と書きましたが、厳密にいえば「売主が支払った金銭のうち、買主が支払うべきお金」を精算して、買主から返してもらうことです。

こう書くとわかりにくいのですが、例を挙げればすぐに理解できると思います。

「各種精算金」とは、例えばマンションの管理費・修繕積立金。

一般的に管理費や修繕積立金(以下管理費等)は、「当月分を前月払い」していることが多いです。

つまり、8月分の管理費等は7月末に指定の口座から引き落とされるシステムのところが、ほとんどなのです。

マンションに買い手がついて契約した。物件の引渡しが6月16日以降だったとしましょう。

すると5月末の時点では、当然売主がまだ所有者です。

よって6月分の管理費等が5月末に口座から引き落とされます。

しかし、6月16日以降のマンションの所有者は買主であり、管理費等を負担すべきも所有者である買主です。

ところがすでに、売主の口座から「買主の支払うべき6月16日以降の管理費等」が引き落とされています。

このため、取引の際に買主が負担すべき管理費等を計算し、売主に返し精算するのです。

通常は日割りで行ないます。

計算式を書くとすれば「月額の管理費等×買主が支払うべき日数÷精算する月の日数」となります。

この場合で、管理費等が月額1万5000円であれば、1万5000円×15日(6月16 日以降の月の日数)÷30日(6月の日数)となり、7500円という金額となります。

よって買主は、決済引渡し時に、管理費等の精算金として7500円を売主に対して売買代金といっしょに支払います。

なお、銀行引き落としのタイミングや切り替えの時期によっては、当月分だけでなくよく月分も精算の対象になる場合がありますので、よく確認しておきましょう。

他に同じように月額べースで精算するものとして駐車場代や組合費、町内会費などが挙げられます。

借地権付のマンションであれば「借地代」なども精算の対象となります。

毎月マンションを利用する上で必要となる諸費用は、必ず確認しておきましょう。

次に「公租公課精算金」ですが、ここでいう「公租公課」とは、中古マンションの場合は毎4月頃に請求される「固定資産税・都市計画税(固定資産税等)」のことを指します。

固定資産税等は、毎年1月1日時点での所有者に対し請求が4月ごろ行なわれます。

これについても管理費と同じように精算を行ないます。

ただし、精算の単位は管理費等のように1か月ではなく、年度となります。

計算式は、「年額の固定資産税等×買主が支払うべき日数÷365日」です。

先ほどの例と同じく6月16日に決済取引が行われ、年間の固定資産税等が12万円であり、精算の起算日が1月1日の場合、

「12万円×199日 (6月16日から12月31日までの日数)÷365」

となり、6万5425円が、精算金として買主から売主に支払われます。

ただしこの固定資産税等の精算については地域により違いがあります。

違いは日割り計算の起算日です。

1月1日を起算日として精算する場合もありますが、地域によっては4 月1日を起算日としています。

当然、精算額も起算日により変わります。

受け取るお金ではありますが、これは売主として支払済みのお金を返してもらうというものです。

決済取引までには支払っておくべきものは確実に支払いをしておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

中古マンション売却に必要な諸費用の内訳には以下の5つがありましたね。

  1. 印紙
  2. 司法書士費用
  3. 仲介手数料
  4. 讓渡所得税
  5. 各種正精算金や公租公課精算金

中古マンション売却に必要な諸費用の内訳をしっかり把握し、不動産業者の漏れをあなたが確認するくらいに覚えておくと売却も失敗せずにスムーズに行えるでしょう。

さらに、重要なポイントとして、以下の3つがありましたね。


  • 仲介手数料に関しては割引をしている業者もあるものの、提示された仲介手数料をしっかり支払って不動産業者にしっかり動いてもらう
  • 譲渡所得税などの税金は、マンションを売って得る「利益」にかかってくる
  • 精算金については地域によって違うため、起算日や支払時期をしっかり確認する


これらのポイントを忘れずにスムーズな売却活動をしていきましょう。

忘れないようにと言っても、売却活動は検討事項が山ほどあります・・・。

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